『星を見に行こう』の超訳【化物語】

 
で、予告通りの本編の「化物語」についての私評。
 
 
ネタバレ上等で全体を要約しちゃうけど…、
 
キャラのバラエティだけ見たら、
いわゆる男ウケしそうな ハーレムアニメなんだよね。これ。
 
だけど、エピソードの複線関係を見ると、
この物語は、ヒロインの恋が主軸になってる物語なのよね。実は。
 
そう見立てれば、他の女性キャラは総じて、
主人公とヒロインの間の単なる恋の障壁な訳で…。
 
 

そんな、恋の障害として配置されているのは、
 
まず、当人の女としてのデメリットが並べられる。
「普通はこんな人選ばないよね?」と言われる要素を並べる。
美人ではあるけど*1、性格が狂気で、生い立ちがアレで‥。
 
対して、オタクウケしそうなキャラ立ちしたキャラが
あざといくらいに並べられる。
 
ロリ、ボクっ子(女オタク)、妹キャラ。そして、完璧超人。
 
 
それらと比較されても、
前頭葉的に考えたら…、エンディングに歌われているように…、
勝ち目は無いと踏んで、自分から身を退いてしまうような要素ばかりが配されている。
ように見える。
 
 
 
…ンだ けれども、
 
結論は、物語は、そんなものは本当は恋の障壁にはならない。
恋を諦める理由にはならない…ということを、この物語は主張している。
 
そういう話になっている。
 
こういう解釈は、私だけのもの…なのかも知れないけれど。
 
 
 
ちなみに…、
 
この歌に謡われている「片思いの少女」は、
もう少し前の時代だったら、おそらくきっと
「あたしと自分、どっちが大事なの?」と
迫ったタイプの人間だと思う。
 
自分と、相手の趣味(仕事)とを、同列に並べて、
同じ基準で判断して、自分が上じゃなきゃならない…
という意味において。
 
この娘の導いた『残酷な真実』ってのは、
男の子が夢中になっているオタク的趣味以上に
自分がその子にとって上位の…より魅力的な存在に
なれるかどうか、…なのだから。
 
そのように「自分の価値」を規定して、
その面での優位性によってでしか安心が得られない。
『強がる私は臆病で 興味がないような振りをしてた』
どうしても面子や見栄を同列に並べてしまう。
 
 
だけれども、恋愛と趣味とは そもそもの指向性が違う。
同レベルで張り合うものではなく、そもそもにおいて
異なるベクトルで両立できるものなのに…*2
 

 
この歌を私は、
「オタクに恋する にわかオタク少女 の失恋」
と要約した。
 
この天文観測を、オタク趣味と見立てた故の解釈ね。
 
 
当然の常識のように星座(オタク知識)を指し示す(ひけらかす)彼。
そして、丁寧に説明されても、ちっとも解らない自分。
 
その齟齬というか、興味関心の根本的な違いというか、
「理解できない」感を、根本的な壁と感じ、
『ほんとはずっと君のことを どこかで分かっていた』
と恋する前まで遡り、
『見つかったって届きはしない』と、未来永劫へと延長する。
努力をする前から放棄し…とは言っても、それが本質的に
目的の為の手段には ならないのだけれど…、それ故に、
『真実は残酷だ』と断定する。
 
 
『夜を越えて』後悔だけが残る。いつまでも『無邪気な声で』
 
 

 
男性視点に返してみて、こういった面を どう見てるんだろう?
これはアレかな。あの「ツンデレ」って言葉と相補的なのかな?
 
つまり、
「自分に対してキツイ言動を向けられても、
 その内心は好意であって、その裏返しなのだ。」
との解釈で自己弁護するように…、
 
「自分の前から去っていた女性も、本当は好意を寄せていた。」
「ただ自分の自信の無さから、告白できなかっただけ。」
「言ってくれれば良かったのに…。」「かわいいヤツめ。」
 
…とかって思いを補完しながら聞いているのかな?
 
 
ちょっと、よく判らない。
良いという人は、ただ「良い」としか言わないので、そこの所が解らない。
 
 
 
もう一回、つづく

*1:ルックスの美醜は化粧である程度 誰でも補完可能だから、それだけが恋の強みにはならない…なるはずがないことが、すでに基本的な部分になっている…ってことなのかな。

*2:一見、異性愛にしか見えないアイドルオタクや萌え系アニメオタク等は、その差が特に解り難いのではあるけれど…。