ぜんぜんほにゃほにゃ(肯定的表現)は、まちがってる?

ラジオを聞いていたら、
変化する日本語とかって話の例で、
 
「ぜんぜんの後に肯定的表現」
 
…と言うのが、紹介されてた。
 
 
でも、それって、間違いの例なのかな?
え…?
 
解るよ。
「ぜんぜん」と来たら通常は「否定的な言葉が続く」
というルールだ ってのは。
 
 
けど、
「ぜんぜん〜(肯定的表現)」が流行ったのは、
時代的必然だ!
 
…って、言えると思うの。
 
どういうこと?
 
 
だって、みんな謙遜・謙遜で、自信が無くって、
卑下しまくっているじゃん。
傲慢に思われたくない。思われると攻撃の標的になる…とか。
 
そういう背景を考えたら…さ。…ねぇ?
 
…なに?
 
じゃぁ例えば…、
お菓子作ってきてプレゼントするとするよね。
で、言うの。
 
「ごめん。あんまりおいしくないと思うけど…。」
 
「ううん そんなことないよ。
 ぜんぜん、おいしいってば…。」
 
ね?
 
否定が前提なのよ。
 
「ぜんぜん おいしい」って言う場合、その意味は、
 
実際には、
 
「ぜんぜん(不味いなんてことはない、とても)おいしいですよ。」
 
…って意味で、その省略なんだよ。
 
「ぜんぜん」って言って相手の言葉を否定するんだけど、
否定の言葉は好ましくなく長く続けられないので、
すぐさま本心である「おいしい」を言わなくっちゃならない。
 
その あせり が、言葉を飛躍させ、省略を生む*1
 
 
…なるほど。
 
あれを誤用だ誤用だと騒ぐ人たちは、用法に拘りすぎていて、
話者の真意を汲み取れない人たちなんじゃないかな…。
 
御用だ♪ 御用だ〜♪

*1:「ぜんぜんとてもおいしい」だと、おいしいを強調する前置詞みたいなのが二重になっちゃうから、とてもも省略しないと語感的に変なのよね。