片名が足り、正当は仮。

昨日の話もあって、アニメについて書いてみる。最近ドコロで
ちょっと観せてもらったので、それへの感想。
 
刀語 第十話「誠刀・銓」
 
テーマとオチの意図は理解できるけど、
ストーリーラインとして、上手くオチに導けていたのかな?
 
 
類推的に理解はできるんだけど、観ていて流れのままに、
主人公らと共感しながら「ああ、そうなのか…」とは なれなかった。
 
今時の子は、そのあたり…どうなのでしょう???
 
スッキリした?
 
 
 
以下、ネタバレするよ。
 
 
  :
  :
 
 
七花(ヒーロー)の側の
攻撃:防御の配分が0:7の相手と5:5で戦うこと…
負けは無いけど勝ちもない相手…との決闘。
 
それと、
 
とがめ(ヒロイン)の側の
自分が苦手(≒敵視し、倒し、乗り越える相手)だと認識していた父が、
実際には、自分には愛情のみを向けていたこと(…を記憶封印してたこと)。
 
…を、
対比し重ね合わせていた訳なんだけど、
 
話として、それがちゃんと伝わる構造に成っていたのかなぁ…?
 
 
七花に提示された勝てない理由を数字で比喩したことに対して、
普通に数字の足し算・引き算で考えたら、防御の割合を減らし、
攻撃の割合を増やせば勝てる計算になっている。言い換えたら、
 
攻撃:防御=10:0で挑めば圧勝という理屈がまずある。
そこで、防御に半分も能力を割く心理が、安易に「弱さ」として
連想されてしまう。克服すべき課題だ…と。
 
複線が複線と機能せずに、ミスリードさせてしまうわけよ。
 
 
そして、
 
とがめが「簡単だ」と即答しかけた“策”も、イマイチ。
 
こちらも「攻撃:防御=0:10」で挑めば、相手と同じ。
負けなくても勝てない屈辱感ではなく、絶対負けないことで
勝ちと同等の結果が得られるとかなんとか。なんぞそれ?
 
オチから引っ張ってきた理屈として、そう言いたいのは判るけど、
(いや、薄刀・針と同じで一切描かずにスルーしてるのかな?)
その言葉に説得力を持たせるためには、それを繋げる複線が
欠落しているように思えてならない。
 
 
そもそものオープニングの描写において、とがめにとって、
「自らの父の敵」と「旅の同士」とを、外見上のシルエットの一致として
重ね合わせて見せていることが、彼女の…この話通しての…葛藤、
その苦しみ、憔悴し続けていることの要因として、どうしても
私はそちらへと導かれてしまう…しまった。
 
だから、それ故に、
今回の話全体が、いろいろバラバラに発散しちゃって
まとまった印象にならないんだな。
 
 
他には…、
 
設定説明のような、否定姫の否定的独白が唐突過ぎて、諄くて、
不忍の面のセリフの何処が誤解を招く失言なのか、ぽかーんとさせられた。
「誰が聞いているか判らない」と言いながら、その口で、
声を殺すでもなく、平常のままトーンで ぺらぺら ぺらぺら と。
「姫の悲願の達成」の意味が、なんでそこまで限定されてるの?
えー? って。
 
 
 
……、……。
 
ね、ダメでしょ?*1
 
 
まぁ、
 
誠刀(正当)防衛とか笑えたし、彼我木輪廻の中性的な声*2も良かった。
 
うけけけ。けけ。(CV 伊東みやこ)
 
でも、その挙動・性格が、とがめ父に由来すると言われても、
ぜんぜんしっくりこない。理由は簡単。その父の姿では、
まったくその振る舞いを させはしなかった…描かなかったから。
飛弾鷹比等=父の性格に瓜二つ=あの男=父 …だよね? 原作は読んでない。
 
 
それと、
「歴史の歪み」とか言い始めてて、どうやらあの突飛な世界観。
疑似幕府時代な、パラレルワールドの設定…を、
「なぜ そうしたのか」を、作品内に描き込むつもりのようで、
後の展開に 心を擽られたりもしているよ。
 
やっぱり、伝わらないよ…。何も。
 
 
…だよね。
 
 
だけど、話変わって、
 
何か少しでも書き始めちゃうと、自分の曖昧な記憶の調整をするために、
確認の為もあって、同じ作品を何度か見ずには いられなくなるよね。
 
それが…、困ると言うか…、楽しいと言うか…、面倒いと言うか…。
 
なんというか…、なんとも、かんとも。

*1:そのダメさ加減をあえて説明すると…、初めから読者が同作品を観ていることが前提とされている文章であり、観ていない者には何も伝わらない文章である。…でありながらも、それだけでなく、文章全体が、観ている者≒好きな者には不愉快であろう否定的な言説ばかりとなっている。このような文章に、どんな需要があるというのでしょう(反語)。とは言え、そもそもにおいて、私は、私がその作品を好きで評価しているから、あえて言及したいという欲求を掻き立てられているのであって、嫌いならそもそもその作品に触れることすらない…のだけれど。でも、このような歪んだ趣向に共感できる人間が、この世に何人いることでしょう。つまり、そういう意味でダメなんですよ。自分でもちゃんと判っています。

*2:野沢雅子が少し入ったような、1970年代的な懐かしさのあるアニメ声というか…。