悠々と歩く時

小鳥をくわえた黒猫を見た。
 
こころもち大股で、
悠然と歩いていた。
 
そして、いつもより、
こちらに気づかない
 
 
私の位置から向こうに歩いていたので、背後からそれを見ている形。
 
 
いつもなら二十メートル圏内に入れば、警戒の姿勢を取るそいつも、
今日は十メートル圏内に入っても、のっしのっしと肩で風を来ている。
 
 
どこまで近づけるかな? …と、こちらが遊び心を浮かべる。
 
それとほぼ同時に、猫もこちらに気付いた。
 
 
少し慌てて…、それでも小走りに、茂みに入っていった。
 
その、少し慌てて こちらを見返ったそのときに、
 
数枚の羽根が落ちた。
 
 
この時、私はその獲物を、小鳥だと察したのだけれど。
 
 
…ん? どうしたの?

ぶるぶる…
 
それを見て、ホントに、チャンスはピンチだな。…って思った。