処世術と成長の互い違い。

道行く先。前方、道路の真ん中…、
 
カラスが数羽、
 
戯れてギャーギャー鳴いている。
 
 
喧嘩かな? 追いかけっこしてるっぽい。
 
カラスの話?
 
よく見ると
そのうちの一羽が、何かを咥えていた。
 
あー、あれを取り合っているのか。
 
カラスって遊んでるよねー♪
 
 
…でも、様子がなにか変。違和感。
 
さっさと食べちゃえばいいのに、
その余裕があるのに、食べちゃわないで咥えている。
 
 
なに咥えているんだろう?
 
徐々に近づいてくけど、よくは判らない。
クリーム色っぽい丸い何か。
 
ムシ? 木の実?
 
 
それが何か判別付く前に、その場から飛んだ。
 
道行きの後方へ飛んで行った。
 
振り返る。
 
さほど遠くない距離で降りた。
 
歩を止めて振り返り、立ち止まって見ていた。
 
うん。
 
 
数羽はギャーギャー相変わらず鳴いている。
 
何かを咥えている一匹は、咥えているそれをその場に落とし、
啄みながら、それをバラしている。
 
ギャーギャー騒いでる奴らは、鳴いているばかりで
その散乱したものを、横から奪おうともせず、
覗き込むこともなく、一歩引いた場所で見てるだけ。
 
なんだろう?
 
眼力で威嚇?!
 
…って、感じでもない。
 
「なに? なんで取らないの? 要らないの?」
 
って、挑発している感じ。隙を見せまくり。
 
普通、こういう声で鳴いている時って、
鳴いている側がヨソ者や小鳥をイジメたり からかっているもんだけど…。
 
なんだか、顔色を窺っているようにも見える。
 
そのうち一匹は、すこし離れたところでそっぽを向いている
そっぽを向きつつも ばっちり意識してるのが判る感じ。
 
啄んでいる一匹は、もう、これ見よがしに見せびらかしている感じ。
 
ムキ〜♪♪
 
 
 
そのまま ぼやーっと見てたら、
 
どっか遠くから もう一羽が飛んで来た。
 
ギャーギャー騒いでた一羽が、
黙ってそっちに跳ね寄っていった。
 
 
ん?ん?ん〜?
 
こういう時って、部外者を威嚇するもんだけど…。
 
 
と思って見ていたら、
その二羽が、クチバシを合わせるようにした。
駆け寄った方が下から見上げるような感じで。
 
 
ああ…、そっか。
 
ん?
 
 
 
親子か。
 
 
 
そう思ってよく見ると、
駆け寄った方が、心なしか 少し小さい。
 
後から飛んで来た方を母親かな?と思った。根拠はないけど。

 
もう一羽が、餌を咥えて食べちゃわなかったのは、
自分で餌を採るように、子どもに動機付けしてたのかな〜。
 
…と、考えると、そっちが…教育ママ?
でも、大人げなく子どもの前で自慢してるってのも、
それこそ父親っぽいか…。
 
ま。どっちでもいいや。どうせ判っかんないんだし。
 
♪♪
 
 
ギャーギャー言ってたのは、餌の要求だったんだな。
 
で、
兄弟の中で一番強いヤツが、何時までもおねだりしてて、
親の近くに陣取っていられる…。
一番弱くてその競争に負けてるような子が、離れたところで俯きつつ、
暇つぶしにでも自分で獲物を探す方に労力を注力するようになるんだろうな、
いつまでもギャーギャー騒ぐことなんかに労力を費やすこともなく…。
 
 
…な〜んて思ったら、いろいろ納得した。
 
 
家族かぁ〜…。
 
 
で?
 
 
ん。
 
そのまま脳内カラス家族に思いを馳せて、
現場を背にして立ち去っちゃった。
 
その後を、見届けることもなく…。
 
 
んあ〜っ♪ 気になる〜♪♪