優秀なファン・視聴者のあり方(私には無いもの)

優秀なファンは、好きな作品の結末を
予想しても、当てはしない。
 
想定される結末を、より際立たせるために、
あえてミスリードとなるような予測をしてみせる。
 
イイワケの準備?
 
そんなんじゃないよ。(ー_ー;)
 
その意味で、私は優秀なファンではないし。
 
 
 
〜とは言っても、
ただメチャクチャ言えばいいのではない。
 
ハズレの予測に対して、そうなるのかも?
と読者に思わせる筆力が必要だし、
 
そのためには、作中に張り巡らされた複線を
総合的に辻褄を合わせて魅せなければならない。
 
それでいて、クライマックスに描かれる
「結論」の核心は外しておかなければならない。
へぇ〜???
 
 
 
そういう芸当は、相当に難しいんだろうと思う。
 
単純に結末を当てるだけなら、
ギャンブルみたいなもので、
確率的に何割かの率で誰でも出来るようなもの。
 
当てることは、スゴイことではない*1
 
 
また、大風呂敷を むやみやたらに大きく広げればよい
というモノでもない。
 
それで、実際の結末が霞んでしまったら、元も子もない。
 
う〜ん。
なんか、キシ…カン?
 
既視感…かな?
 
 
 
あぁ、
 
前に書いた分類で言うところの、
0.5(≒3.5)の位置と
近い立場…でもあるのかな。これ。
 
ともかく 私にはできない芸当であり、すごいなぁ…という羨望。
 
まずは、寄って立つ足場(基盤)が無いとダメね。
立場の何も無い私が言っても、確たる意味を成さない。
 
 
「腹芸」の通用する間柄って、見てて嫉妬する。
 
お互い言葉の上では否定しあっているのに、
相手の言外の意図が通じ合ってたりして…。
 
話‥‥、ソレてない?
 
…そうでもないんだけど。
 


ここからが本題…というか蛇足

<!以下は、TVアニメーション魔法少女まどか☆マギカ」(↓)を未見の方は、
 完全においてけぼりな文章です*2!>TVアニメーション「魔法少女まどか☆マギカ」公式サイト
 
上記のような話をしつつも、「逆を打つ」
私も救いようが無いな…。
 
先日の記事(「ワルプルギスの夜」を待ちわびて…まど☆マギ 結論推測)
説明不足というか飛躍が顕著に見える箇所の補足を。
残り話数は放送の予定も立っていないようなので、この際ね。
 
 
ネタ元であるトコロの「ワルプルギスの夜」には、
「聖ワルプルギスに対抗する魔女たちの集会」って見立てもある
みたいね(ググる先生のオススメ)。
 
強力・強大な聖人(聖女)ワルプルギスってのがまず居て、
それとは別に魔女達がいっぱいいて、その魔女達が
聖人打倒(?)の為に集会するのが「ワルプルギスの夜」…と。
(つまり、聖人ワルプルギスの主催する夜会…ではない…と)
 
これを前提とすると「浄化の儀式」のように見立てるのは、
正直、???って感じだよね。
 
でも、その見立てでも面白くって、
魔女達の立場からすると、その構造は、
強大な存在としての絶対正義・聖ワルプルギスに対抗する
弱い、非正義(≠悪)の魔女群団の集合体が「夜」
とも見立てられるわけだ。
 
それに伴って、
私はこの作品での魔女を、絶対悪のように扱っていない
と受け取っています*3
 
 
「少女の心(ソウルジェム) → 魔女の卵(グリーフシード)」
の変化を、処女・非処女と見立てたがるお方も おられるみたいだけど、
そういった話は「少女革命」で終わりにしておいて*4w
(先日の記事を書いた後に、はてブ辿ったで偶々目にした)
 
あの〜‥。この魔女達は「結界」に「引きこもって」いる存在でしょ。
 
性に奔放な女性に対する蔑視の象徴だとは やはり読めない。
むしろ逆だとした方が…もにょもにょ*5/*6
 
ちなみに、
武器戦闘が男の子のものだ〜とかも、古いステレオタイプ
「モンハン」や「無双」の需要を見てれば明らかかと。
 
 
 
そんな「引きこもり」や「精神疾患」を生み続ける源泉として、
光、希望、正義、正しさ、常識的価値観…への問題提起。
魔女の側を肯定…ではないけど…、救済(同情?)されるべき対象(被害者)
として、描こうとしているんじゃないか?
 
…と。
 
魔女は救われないのだとしても、それが産み出され続ける
システム。社会構造に対する問題提起。
 
その破壊(修正)は、救済である…と*7
 
 
「原因」と「結果」。
 
悪い「結果」だけを見て、その根絶を試みることは、
「原因」の永続の元では、永遠に救いのない苦行。
 
 
そういった論の組み立ての上での、世界の浄化。
 
 
 
そもそも、火の儀式は、
キリスト教以前の社会では、常に浄化の儀式だった*8
生贄の火あぶりといった残虐性が伴っていても*9
 
旧教(異端)の常識に照らして見れば、
「夜」の「放火」は、浄化の祈願(敵の打倒)に他ならないわけで…。
 
 
 
けれど、
 
 
時は戻らない。歴史は覆らない。
 
 
眼前の問題に対して、過去への回帰…では 救いにはならない。
 
決して。
 
 
アンチテーゼは、アンチであるが故にテーゼには成り得ない*10

*1:それを自慢してられるのは お子様レベルまでかな。程度に拠るけど。

*2:前置きに「ネタバレあり」とか書くから後の文章がイタくなるんだな。と気付く。観てない人には意味の分からない文章であることを予めお知らせします。…の方が良いかな。って思い直した。

*3:例えば、魔女化する美樹さやかに対しては、同情や理不尽さを感じさせるものとなっているでしょう?

*4:少女革命ウテナ(1997)…世界を革命すると称して、処女喪失こそ新たな力の源泉のように隠喩的に描いていた。っぽい。

*5:これを機に公式HPを辿り「魔女図鑑」を読んだ。ここにもあるように「魔女」の方が、この作品の「魔法少女」達よりも よっぽど「純粋」で「お子様」だ。cf. http://www.madoka-magica.com/special/dic/card8.html ハコの魔女…まんま引きこもり http://www.madoka-magica.com/special/dic/card29.html 鳥かごの魔女…小鳥(小魚)は古くから精子の象徴。彼女はそれを嫌悪している。つまり…。

*6:実名を(正体を、肉体を)明らかにせずに、文字だけの(思念だけの、心だけの)影響を撒き散らしている(というほどの影響力は無いが)私も(このブログも)、この意味での「魔女」そのものです。当人は善意で正論のつもりでも、受け取りようによっては、悪意であり、呪いであり、無辜の誰かを自分と同じ「魔女」へと導いてしまっているのかもしれない(自省)。

*7:ワルプルギスの夜の翌日。聖ワルプルギスの祝日は、五月一日でありメーデー(労働者の日/弱者の権利要求の日)でもあるのは、なかなかに感慨深い。この放送延期を機に、最終話の放映が四月三十日(土)の深夜にでもなったりしてv

*8:焼き畑的な農耕の芽生えに、その起源があるのかも知れないね。死(≒枯れ草)を一掃し、新しい芽吹きのための土壌とする。

*9:ちなみに悪名高き「中世の魔女裁判」は、キリスト教の残虐性というよりは、キリスト教の世俗普及によって旧教(異教)の消滅(&混合)がもたらしたものであり、旧教的には平常な政治手法だった…と今は思っている。つまり、キリスト教によってもたらされたのではなく、それ以前から連綿とあったものが、キリスト教史において顕在化したのがその時だったのだ…と。ちなみにx2、入水による善悪判定(浮かべば有罪・沈めば無罪=水死)も、穀物の良悪を判定(浮=籾殻、沈=実)する古の手法(シュメール(エア神)起源?)の転用か?。

*10:その矛盾を解消する答え…第三の道…を、ジン・テーゼという…のだけど。