飛べないアオサギ

今日、珍しい場所でアオサギを見た。
 
アオサギ‥?
 

 
狭い深い水路の中を歩いていた。
 
背の高いあのアオサギが、
 
首を伸ばさないと
顔も出ないような深さがある
 
そんな中を歩いていた。
 
 
 
「あ、
 
 あのポイントなら、気付かれないまま接近できる♪」
 
  
〜と思って、そそくさと回り込んだ。
 
アオサギなんて間近で見た事ないものね。
 
へー‥。
 
 
半歩先に居るであろう場所に付き、
 
息を詰めて、
 
ばっと見下ろした。
 
 
もう、しゃがんで手を伸ばせば触れる距離だ。
 
 
ごくり‥。
 
 
気付いたアオサギは、当然のように驚いた。
 
 
驚いて逃げようと思ったんだろうけれど、
 
その狭い両脇を壁に阻まれた水路の中で‥、
 
 飛ぼうと思ったのかな?
 
翼を広げようにも壁が邪魔で広げられず、
 
翼を伸ばしても壁の上に垂直に出すだけで、
 
羽ばたこうとしても、壁に当たるだけ。
 
 
うわー‥、
 
 
アオサギの鳴き声も初めて聞いた。
 
 
 ホゲー! ホゲー!
 
 
‥と、ガチョウのような声を出すのね。
 
パニクりながら走るばかり。
 
 
 
普段、優美なアオサギの、こんな姿‥見たくなかった‥‥かも。
 
 
 
反対に逃げれば、壁も切れてる場所に出られるのに、
 
逆走を続けた。
 
 
近づきすぎると突かれるかもしれない。
 
怖いから少し離れて見ていた。
 
 
 
橋というか蓋というか、屋根というか、
 
水路の穴の中にまで入っていった。
 
 
あら〜‥。
 
 
ちゃんと戻れる‥のかな?
 
 
そんな心配も過ぎったけど、
 
 
寒いのでそのまま帰った。
 
 
 
無事だったかな‥。あのアオサギ‥‥。
 
 
あなたのせいで‥‥、
 
 
イヤーーー‥っ!!
 
 
 
大丈夫、大丈夫。
 
 
 
‥大丈夫であって欲しい。
 
 
でも、野生だし♪♪
 
 
で、あって欲しい‥‥。